わたしは8月31日に無事、女の子を出産しました。
三谷マルティーヌ 真奈(マンナとは聖書でイスラエル人が砂漠で神様から恵まれたパン)そして、皆は聞く。
「出産はどうだった?」
わたしは戸惑う。
これから出産を控えている人、又いつかは子供を産むだろう若い女性に聞かれると、本当に思ったことを言っていいのだろうか?
「死ぬかと思った」と。
いや、でもそれだけではない。
その中で神様がわたしに手を差し伸べて下さったのだ。
経過をまとめると、
月曜日の朝に前駆陣痛(軽く耐えられる痛み)が始まったため入院。その夜、本格陣痛に変わり、痛みは強くなっていくが、子宮口がなかなか開いてこないため、火曜日に陣痛を人工的に強める促進剤の点滴を打つことになった。
その時点で不安のあまりか涙がぽろぽろ出てくる。そして、予感が的中してしまうのだ。
それまで通常だった出産が急展開を迎えるのであった。
薬の量はほんのわずかだったにもかかわらず、わたしには抜群の効き目をみせた…効き過ぎた。
そして数分後 ― 言葉では現せないほどの激痛と苦しみ。。。
この急な負担に赤ちゃんと私の心拍数が異常に上がったようで、医師や助産婦さんたちはなにか相談をしている。
私はこのままでは死んでしまうから止めるように、と嘆いた。
ようやく点滴を止めてもらった…のだが…
その後わたしは人生で初めてとも言える「挫折」を経験した。心の準備もできないまま、一番怖ろしいところを見てしまった…
お産がああなるのなら、もう耐えられない。しかも次は途中で止められない。そして続く時間ももっと、もっと長い。
ああ、逃げたい!!
一度、地獄から抜け出したのに、数時間後にまた送り返される!
わたしはどうしていいのか分からなくなった。
夫クリスティアンにその旨を打ち明けると、そんな私を見たことがないため、途方に暮れた。ずっと手を合わせて祈っていた。。。
病院から逃げても出産からは逃れない。この病院では麻酔は許してもらえない。帝王切開が一番ましに思えたが、選べるわけでない。逃げ道のない状況。
神様に見捨てられた気持ち。
イエス・キリストの死ぬ直前の言葉を思い出した:
「わが神、わが神。 どうしてわたしをお見捨てになったのですか」
(マタイによる福音書 27:46)
そこでわたしは決めた。
わたしにはもうどうしようもできない。
私の弱さと恐怖を全て神様に委ねるしかない。完全降参をするのだ。
わたしの弱さを通して、神様の強さが働く。
新約聖書で使徒パウロも自分の弱さを乗り越えられず、こう言う:
なぜなら、わたしが弱い時にこそ、わたしは強いからである。
(コリント人への第二の手紙 12:10)
陣痛の波が押し寄せてくる度にわたしは全ての苦しみを込めて、ゆっくり、長く吐く呼吸を直接天に向けはじめた。
痛みを神様に(具体的には天井の空調の方へ)吐きかけたのだ。
「助けてください」
「私の弱さをあなたの強さに変えてください」
と祈りながら、痛みに引きつった息を吐き続けた。吐いて、吐!…いて、吐い…!て…‼…
すると、いつの間にか子宮口が十分に開いていて、あと何時間もかかるはずだった出産がピークまで進行していたのだ。
最後は実際にも、映画でも聞いたことのない、獣のような叫び声を何度かあげて、赤ちゃんがシュルッと産まれた。
お産はあっという間だった。
そして、痛みも促進剤のときの苦しみとは程遠いものだった。クライマックスに向けての希望に満ちた痛みだった。
ああ、神様が助けてくれたのだ!ありがとうございます‼
感謝‼
と産まれたその瞬間、一瞬で最高な幸せと開放感に満たされました。カタルシス…
そして、元気にオギャーと声を上げてくれた、かわいい赤ちゃんを抱きました。
出産はどうだった?と聞かれたら
「死ぬかと思った」
「いったん挫折した」
「神様に救われた」
「最後は最高に幸せな瞬間」
と言えるだろう。今、これを書きながらも病室のベッドで赤ちゃんに授乳。時刻は朝の3:30。嵐の後の平和で完全に幸せなひと時…
旧約聖書でダビデ王が神様に向かって言う。
母の胎から難なく取り上げ、幼い日々も、無事に過ごさせてくださったではありませんか。
(詩篇 22:9 )
これを忘れてはいけない。
生きているというのは偶然ではない。神様からのプレゼント。
天とか宇宙とか自然の恵みなど、ぼやかした表現も多いが、私は感じた。
神様というその上無いほど具体的なお方が、わたしの赤ちゃんをこの身体から引っ張り出して下さったのだ。
助産婦さんやお医者さん、自分を産んでくれたお母さん、お父さん、支えてくれた皆に感謝しています。
そして何よりも、その人たちを自分に与えて、命そのものを下さった神様に感謝しています。
いつか死んで、神様に
「りお、地球はどうだった?」
と聞かれたときに誇らしい答えができるように生きたいものですね。。。
アーメン。
Monday, September 5, 2011
出産はどうだった?
Text: Rio Mitani
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